IT化、高度情報化社会においては基本的に「データを集中的に管理する環境」が推進されてきた。これまで紙媒体で作成した書類をデジタル化し、さらにクラウド化することで離れた場所にいる人同士が情報を共有することができる、あるいはネット通販やSNSのような離れたところに住んでいる人同士か取引や交流をすることができる機会を作る。
これがIT社会の基本的な特徴である。
しかし、一方でそんなIT化の流れに少々逆行するような形で、エッジコンピューティングが再注目される機会が増えているのだ。
つまり、大量のデータを管理するネットワーク上やデータベースで情報を処理するのではなく、ネットワークの末端(エッジ)で処理を行うシステムが導入される機会が増加しているのだ。ひと昔前の考え方・環境が再び見直されているといってもよいだろう。
情報を集中的・統括的に扱うIT化の時代において、どうしてエッジコンピューティングが注目をあつめるようになっているのか?その理由として、いくつかのポイントが挙げられるだろう。
まず、集められたデータをその場にある末端の端末で処理するため処理速度が迅速になること。例えば顔認証システムのようにその場ですぐに処理する必要があるシステムでこのメリットが重宝されている。
もう1つは、末端の端末で処理するためデータ処理のプロセスにおける過程が少なく、データを伝送している間に情報が漏れる心配が少ない点だ。IT社会の大きな問題点となっているセキュリティにおいても大きなメリットを持っていることになる。こうした理由から、改めてエッジコンピューティングに注目が集まっている状況である。
今後も成長が見込める市場であることから、上記以外のエッジコンピューティングの基本的な情報についても、しっかり理解をしておくほうが先々役立つだろう。